日本人が日常的に飲むお酒にはビールやワインなど様々なものが挙げられますが、中でも焼酎は自宅で気軽に飲んでいる方が多いのではないでしょうか。
焼酎には様々な種類があり、値段も安価なものが多数あるため、お金をかけずにお酒を楽しむ方法として非常に魅力的です。
焼酎の種類は一般的な麦や芋だけでなく、そのほかにもたくさんのバリエーションがあります。
さらに蒸留方法の違いにも注目すると、非常に多種多様な選び方や楽しみ方ができるお酒だといえるでしょう。
そのためこの記事では、焼酎を好んで飲む方に向けて焼酎の種類やそれぞれの特徴を紹介します。
好みの商品を見つける参考に、ぜひともチェックしてみてください。
焼酎甲類の特徴
焼酎甲類とは、「連続式蒸留」によって造られた製品のことを指します。
連続式蒸留とはウイスキー造りなどにも使われる、単体の蒸留器の中で連続して何度も蒸留を繰り返す方法です。
何度も蒸留を行うことでアルコールの純度が上がり、原料の風味などはやや失われてしまうもののクセの少ない一本が作れます。
効率よくアルコールとそれ以外の成分を分けられるため、甲類は雑味がないストレートな味わいを持った無色透明の焼酎になる蒸留法です。
また、連続式蒸留は大量生産が可能であり、その分安価な商品を作りやすい方法だといえるでしょう。
連続式蒸留は明治時代の終わりにイギリスによってもたらされた、日本国内では比較的新しい手法です。
そのことから、甲類は「新式焼酎」「連続式蒸留焼酎」などと呼ばれることもあります。
甲類と乙類の違いは、元々は酒税法によるものです。
酒税法により、甲類の焼酎は連続式蒸留によって造られたアルコール度数36度未満の製品であると決められています。
焼酎乙類の特徴
焼酎乙類とは、「単式蒸留」によって造られた製品のことを指します。
単式蒸留は古くより日本国内で用いられてきた方法であり、一度投入した原料を1度だけ蒸留してお酒を作り出します。
蒸留回数が少ないため原材料そのものの風味が多く引き出され、出来上がった焼酎には芋や麦などの原材料が持つ本来の味わいが強く感じられます。
単式蒸留は日本において古来より用いられた方法であることから、造られた製品は「旧式焼酎」「単式蒸留焼酎」などと呼ばれることもあります。
また、以下の条件を満たす乙類焼酎は「本格焼酎」と呼ばれ、高価な商品も存在します。
本格焼酎の条件
- 単式蒸留で造る
- 穀類や芋類、清酒粕、黒糖の4品目か、国税庁長官が定める49品目の原料を使用
- 水以外の添加物は使わない
乙類焼酎と本格焼酎を全く同じものとして理解してしまっている方もいますが、上記の条件を満たさない焼酎は本格焼酎ではありません。
焼酎選びの参考にしていただけたら幸いです。
芋焼酎の特徴
芋焼酎とは、芋(サツマイモ)を原材料として造られた製品のことを指します。
サツマイモは糖度が高いため、芋焼酎はほんのりとした甘みと芳醇な香りが感じられます。
しかしややクセが強く感じられることもあるため、好き嫌いがわかれやすいでしょう。
ただし近年の芋焼酎は臭いにつながってしまう傷んだ部分を丁寧に取り除いたり新鮮な芋だけを使用していたりするため、余計なクセがない商品も増えています。
芋焼酎の大半は九州南部の宮崎や鹿児島で作られており、様々なバリエーションが存在します。
焼酎に使用されるサツマイモには黄金千貫や安納芋、ジョイホワイトなど様々なバリエーションがあり、芋の個性によって以下のように多種多様な味わいが生まれます。
芋焼酎の原料別の特徴
- 黄金千貫:最も一般的な原料であり、フルーティでまろやかに仕上がる
- ジョイホワイト:軽い口当たりになる
- 安納芋:甘く芳醇な香りが強く感じられる
芋焼酎独特の香り・風味がクセになり、ハマってしまう方も多い製品です。
麦焼酎の特徴
麦焼酎とは、大麦を原料にして造られた製品のことです。
麦の香ばしくフルーティな香りや、軽やかでキレのある味わいが特徴的です。
クセが少なく口当たりもまろやかで、サワーやカクテルのベースとして使用されることも多くあります。
さらに安価に購入できることから、焼酎初心者をはじめ幅広い方に愛飲されている製品です。
「いいちこ」や「二階堂」などは、焼酎を飲む方はもちろん、飲まない方でも聞いたことがあるのではないでしょうか。
麦焼酎は長崎県の壱岐島が発祥の地だといわれており、壱岐で造られた「壱岐焼酎」は400年以上の歴史を持ちWTOによって産地呼称が認められた製品です。
ただし壱岐だけでなくそのほかにも、大分や福岡など九州各地で生産されています。
原料に使われる品種としては「二条大麦」が多く、でんぷん含有量が多いのが特徴です。
ちなみに大麦の蒸留酒としてはウイスキーも挙げられますが、ウイスキーは樽で熟成させる工程が入るため全く異なる味わいのお酒になります。
米焼酎の特徴
米焼酎とは、米を原料として造られた製品を指します。
お米のうま味や甘みが強く感じられ、口当たりはまろやかで香り高い、繊細な味わいです。
銘柄によって味のバリエーションが幅広く、深みのある濃厚なものや爽やかで軽い口当たりのものなど、それぞれの個性があります。
米焼酎に使われる米は国産米が中心であり、九州で多く生産されるコシヒカリがよく使われます。
そのほかにも、あきたこまちなどのブランド米を使って造られているケースあります。
米焼酎は熊本の人吉・球磨地方を中心に九州各地で造られています。
球磨で造られた焼酎は「球磨焼酎」は、WTOによって産地呼称が認められた焼酎です。
米で作られたお酒といえば日本酒が有名ですが、日本酒との違いは蒸留にあります。
また、日本酒は余計な脂質やたんぱく質を取り除くため米の表面を3割~5割程度も削りますが、米焼酎の場合はこれらをうま味のもととして残すため、1割程度しか削りません。
そば焼酎の特徴
そば焼酎は、そばの実を原料として造られた焼酎です。
そばならではの風味・コクが印象的ですが芋や麦、米などと比べてもクセが少なく、あっさりとして飲みやすいため初心者にも向いているといえます。
また、カロリーが低く太りにくいことから、女性からも人気です。
どんな料理にも合わせやすく、メジャーな原料にも負けないほど人気が高い焼酎だといえるでしょう。
ロックやストレート、水割りなど様々な飲み方が可能ですが、そば湯で割って飲むとそばの香りやうま味が最大限感じられ、まろやかな口当たりになります。
そば焼酎は、九州だけでなくそばの実の生産が盛んな北海道や長野などでも多く作られています。
黒糖焼酎の特徴
黒糖焼酎は、黒砂糖を原料として作られる焼酎です。
サトウキビを煮詰め、不純物を取り除いたものが黒糖であり、黒糖焼酎は焼酎特有の強い香りがしないため飲みやすいといわれています。
黒糖のコクや甘みが強く感じられ、飲み口は軽く爽やかな点が魅力的です。
黒糖焼酎は、米麹を使うことを条件として鹿児島県奄美諸島だけが製造を許可されています。
焼酎の飲み方
焼酎には様々な飲み方があります。
水割り、ストレート、ロックなど様々です。
こちらの記事では焼酎の飲み方について詳しく解説しておりますので、是非ご参照ください。
焼酎には様々な種類・特徴があります
今回は、焼酎のバリエーションやそれぞれの特徴などについて紹介してきました。
お好みの焼酎を見つけるためのよい材料となりましたでしょうか?
焼酎には非常に多くのバリエーションがあるため、好みや予算に合わせて気軽に楽しんでいただけたら幸いです。
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