「焼酎」と聞くと、あなたはどんなイメージを持たれるでしょうか。
もし焼酎が初めての方であれば、ひょっとしたら「個性的であったりアルコールに馴染めなっかったり、飲みにくいお酒」とのイメージを持っているかもしれません。
確かに焼酎のアルコール度数は高めであり、中には個性が強いタイプも存在するのは事実です。
しかし、焼酎は種類や飲み方のバリエーションが豊富であり、選び方によっては初めての方へも非常におすすめしやすいお酒だと言えます。
そのためこの記事では、焼酎が初めての方におすすめしたい焼酎の選び方について解説します。
焼酎の選び方について知りたい方この機会に、ぜひともご参考にしてください。
焼酎とは
そもそも焼酎とは、水と原料を発酵させて造った酒を、蒸溜させて造るお酒のことを言います。
ウイスキーやウォッカなど、と同じ蒸留酒です。
焼酎にはおおよそ⒓度~45度以下の焼酎があり、基本的に日本酒やワインなどよりもアルコール度数が高いため、お酒に苦手意識がある方や初めて飲む方からは敬遠されてしまう場合もあります。
馴染み無い方は「芋焼酎のお湯割り」など、個性が強いお酒のイメージがあるという方は少なくないのではないでしょうか。
確かに焼酎の中には個性や香りが強く、初めての方にはなかなかおすすめしにくい品も数多くあります。
しかし焼酎は原料が豊富であり、飲み方のバリエーションも豊富です。
軽いタイプや飲み方も数多くあることから、実は初めての方にとっても飲みやすいおすすめのお酒だと言えるのです。
まずは先入観を持たず、飲みやすいと感じるものから試してみることをおすすめします。
日本酒との違い
日本人が好むお酒には、焼酎の他に日本酒も挙げられます。
両者はアルコール度数や味わいなどが大きく異なりますが、一体どんな点で違っているのでしょうか。
それぞれの作り方は、以下の通りに分けられます。
日本酒と焼酎の造り方
- 日本酒……醸造酒 醪を搾る
- 本格焼酎……蒸溜酒 醪を蒸留する
醸造酒とは、穀物等をアルコール発酵させて造るお酒のことを指します。
日本酒の場合、お米に含まれるでんぷん質を糖化させ、アルコール発酵させて造ります。
ブドウの糖を発酵させて造るのがワイン、麦芽を含む麦を発酵させて造るのがビールです。
一方の蒸溜酒とは、醸造酒を蒸溜させて造るお酒のことを指します。
蒸溜とは、液体を蒸発させた結果できた気体を冷やし、再び液化させることです。
また、日本酒の原料はお米だけですが、焼酎の場合はお米だけでなく麦や芋、黒糖、酒粕、蕎麦など様々なものが原料になります。
焼酎が初めての方はどんな選び方をすればいいか
ここでは、焼酎が初めての方におすすめする焼酎の選び方を紹介します。
原料
まず挙げられるのが、原料に注目することです。
焼酎の原料には、以下の通り様々なものが挙げられます。
焼酎の原料の例
- 麦
- 芋
- 米
- 黒糖
- 酒粕
- その他
原料によって味わいや香りは千差万別であり、中には個性の強いものやすっきりとしたものなど、様々なタイプがあります。
中でも初めての方へ特におすすめできるのが、粕取り焼酎(酒粕)でしょう。
日本酒の酒粕で造った焼酎で、クセが少なくすっきりとした飲み口の品が多く、炭酸や100%果汁などで割ってもおいしく飲めるため、初めて飲む方にも選択肢が多く馴染みやすい品だと言えます。
タイプにもよりますが軽やかに仕上げたタイプがお勧めです。
また、米焼酎もお米の風味たっぷりとさらりとした雑味の無い飲み口の焼酎があり、後者が初めての方には入りやすさもあります。
また米焼酎は食中酒としても非常におすすめです。
やや軽やかな黒糖焼酎や芋でもオレンジ芋等柑橘系の香り等を感じる軽やかな味わいや麦のライトなタイプ等はビール代わりに炭酸で割って飲めば初めての方でも入りやすいでしょう。
もちろん初めての方でも個性や味わいがある焼酎を食と共に味わって頂ければ個性がしっかりと食や脂とマッチして美味しく頂けると思います。
単体で飲まないことです!
蒸溜方法
焼酎の味わいを左右する大きな要素としては、蒸溜方法が挙げられます。
基本的な蒸溜方法は、以下の2つです。
基本的な蒸溜方法
- 単式蒸溜
- 連続式蒸溜
単式蒸溜とは、単式蒸溜器を使って蒸溜を行うことを言います。
一方の連続式蒸溜焼酎とは、連続式蒸溜器を用いて繰り返し蒸溜を行うことです。
連続式蒸溜によって造り出された焼酎を連続式蒸留焼酎(甲類)と呼びます。
連続式蒸留焼酎(甲類)はクセが少なくさっぱりとした味わいが特徴です。
一方の単式蒸溜で造り出した焼酎を、本格焼酎(乙類)と呼びます。
本格焼酎(乙類)は個性豊かで、原料が本来持つ複雑な味わいが特徴になっています。
甲・乙のどちらかが優れているという訳ではありませんが、連続式蒸留焼酎(甲類)はクリアな風味であることから、サワー等に使用されています。
また、初めて飲む方でも原料の味を充分に楽しみたいのであれば本格焼酎(乙類)がおすすめです。
個性を抑えてすっきりと飲める本格焼酎(乙類)もあるため、探してみるのも楽しいかもしれません。
麹の種類
味わいに大きな影響を及ぼす要素としては、麹(こうじ)も挙げられます。
麹とは、蒸した米や麦などにコウジカビを植え付けて繁殖させたものです。
デンプンを糖化させクエン酸を分泌させます。焼酎造りの1歩目です。
麹の種類は、主に以下の3種類です。
麹の主な種類
- 黄麹
- 黒麹
- 白麹
白麹を使用すると、上品で爽やかなタイプが多々あります。
黒麹とは違った穏やかで伸びやかな味わいの焼酎です。
黒麹にはクエン酸が豊富に含まれているため、殺菌力が高い麹です。
黒麹を使用してできた品はコクがあり、濃厚で風味ある味わいになります。
黄麹は殺菌力が少なく温かい気候下で醸す焼酎造りに利用するのは難しい麹ですが、近年では酒造りの技術向上とともに使われるようになってきました。
初めて飲む方が選択するのであれば、白麹がおすすめでしょう。
麹に注目して焼酎を選んでみると、少し違った楽しみ方ができるかもしれません。
黒麹・白麹・黄麹のそれぞれの特性ごとに抑えてみましょう。
飲み方
初めて飲む方なら、飲み方から焼酎を選ぶのもおすすめです。
焼酎には、以下のように沢山の飲み方があります。
焼酎の主な飲み方
- お湯割り
- 水割り
- 炭酸割り
- ロック
- ストレート
- お茶割り
- 100%果汁割り
細かく分類していくと上記よりもさらに沢山あり、この選択の多さが焼酎をおすすめしたい理由なのです。
中でも初めて飲む方にまずおすすめなのは、やはり100%果汁割りでしょう。
合わせる焼酎はクセの少なく100%果汁と相性の良い「ライトな粕取り焼酎」(日本酒の酒粕で造った焼酎)が最適です。
あとは、黒糖焼酎やすっきり風味に仕上げた米焼酎や麦焼酎あたりが、選択肢としては挙げられます。
本格焼酎を果実の甘さと共に飲むと甘さという安心感を感じながら飲めるので初めての方にはお勧めです。
その次におすすめなのが、炭酸割りです。
炭酸割りは飲み口が非常に爽やかになるため、比較的幅広い焼酎と合わせやすいと言えます。
麦や黒糖焼酎などがおすすめなのはもちろん、好みによっては芋焼酎も選択肢に入ってくるでしょう。
お好みで柑橘系の果汁を絞って入れると、さらに爽やかで飲みやすくなります。
少しずつ焼酎に慣れてきたら、お湯割りや水割りにチャレンジしてみてください。
特にお湯割りは温かいことで原料本来の風味をしっかりと感じる事が出来、脂も流してくれるので料理と共に味わえば更に美味しく味わえます。
ここまで楽しめることができれば、初めての方は充分に焼酎入門を果たしたと言えるのではないでしょうか。
価格
初めて焼酎を選ぶ場合、価格も重要な要素になります。
高価な焼酎が飲みやすいという訳ではありませんので、最初はなるべく安価な品から選択してみても良いでしょう。
焼酎には、安価でも美味しい焼酎が多数あります。
お店の店主やスタッフの方に商品説明をしてもらうことが大切でしょう。
高価なタイプは特別なお酒で度数も高いタイプが多いものです。
ちょっと普段の晩酌とは異なるかもしれませんね。
アルコール度数
焼酎を選ぶ要素としては、アルコール度数も欠かせないポイントです。
現在市場に出回る全国的な主流は20度と25度となっています。
40度を超える焼酎はやはり初めて飲む方にはきつく、個性が強いタイプの焼酎も多くあると言えるでしょう。
焼酎の基本的な味わいを知るには、20度や25度から始めてみるのがおすすめです。
25度のままではさすがにアルコールがきついと感じると思われるため、いきなりストレートではなく、上記の説明にもある、炭酸割りや100%果汁割から始めて、お湯割りや水割りへとチャレンジしてみてください。
そしてアルコール度数40度の品であってもお湯や水割り、ソーダ割りなどで薄めれば充分に楽しめますので、風味や味わいの好み次第では選択肢に入ります。
量
初めて飲む方が焼酎を購入するには、内容量に関しても気をつけることをおすすめします。
あまりに多い量の焼酎を購入してしまうと、万が一苦手なタイプだった際に無駄になってしまうためです。
小瓶で販売されているケースもあるため、違う種類のものを何本か購入して少しずつ試してみることをおすすめします。
好みが見つかれば1800mlへ移行すると良いでしょう。
また、焼酎が初めての方に贈り物として用意する時も、小さい瓶で2本贈るなどして種類を楽しんでもらえるため一石二鳥です。
おつまみ
初めての方におすすめしたい選び方として、おつまみから選ぶという方法も紹介します。
これは酒の種類もありますが飲み方にも関連があります。
これは、食べたい料理を決めて、その料理が美味しくなる焼酎を選択する方法です。
たとえば、肉みそなどのコクがあって味が濃い料理には、味わいある芋焼酎もよく合います。
料理の脂を流しながら食べるのか、最初の一杯目でお酒をのどに通すことが主なのか、チビリチビリ食後にやりたいのか・・・・
どの種類を飲むも大切ですが、料理との幅が広い焼酎なので何を食べ、どの様に飲むか(お湯割り、水割り、炭酸割等)も一緒に捉えると更に美味しくなるでしょう。
美味しさを引き立てながらも自由なスタイルで楽しめると最強ですね。
焼酎が初めての方でも様々な楽しみ方が見つけられます!
今回は、初めて焼酎を飲む方の焼酎の選び方について紹介してきました。
ご自身と相性の良い焼酎を見つけるための、良い材料となりましたでしょうか?
焼酎は種類や飲み方のバリエーションが豊富で、初めての方にもおすすめできるお酒なのです。
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