焼酎と一括りにしても、実に色々なバリエーションがあります。
中でも、すっきりとした口当たりが人気のそば焼酎は、焼酎初心者や焼酎が持つクセの強さが苦手と感じる人にもおすすめです。
とはいえ、そば焼酎は麦や芋より世間的な浸透度が低く、どの銘柄を選んだらいいかわからないという人も少なくありません。
そこで本記事では、おすすめのそば焼酎について選び方やポイントを踏まえながらご紹介していきます。
そば焼酎の基本や種類も押さえていくと、酒屋さんでそば焼酎を選ぶ際にも役立つでしょう。
これからそば焼酎を楽しみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そば焼酎とは?
そば焼酎は、その名の通りそばが原材料となっています。
そばの中でも、実の部分を使って作られる蒸留酒ですが、商品によっては麦や米、さつま芋などがブレンドされたタイプもあり、味わいや風味も様々です。
そば焼酎の誕生はいつ?
そば焼酎が誕生したのは1973年と比較的若く、宮崎県最北の地である五ヶ瀬の雲海酒造が初めて製造しました。
その後、飲みやすさやそばの香りが人気となり、瞬く間に全国区となった焼酎です。
現在は、各地で製造されており、特にそばを名産としているエリアでは、そば焼酎をメイン商品として注力している蔵元もみられます。
そばの実について
原料であるそばの実は、商品によって使い方が異なります。
例えば、そのままの形で仕込みに使われることもあれば、削ったり粉にしたりと実にバリエーション豊かといえるでしょう。
しかし、そばの実は、麦や芋と比べると発酵力が弱く、蒸すと粘性が出るのが特徴です。
そば以外の原料をブレンドされるのは、このデメリットが要因となっています。
とはいえ、そばのみを100%使用したそば焼酎を手がける蔵元もあり、いかにそばの香りが芳醇な焼酎を作るかは、蔵元の腕にかかっているといえるでしょう。
そば焼酎における麹の種類
そば焼酎のほとんどは、発酵を助けるために様々な麹を取り入れています。
どのような麹を取り入れるか、またその割合で、そば焼酎の風味が大きく変わるのもそば焼酎が持つ魅力の一つといえるでしょう。
麹の種類について考えながら、そば焼酎を選ぶのも一つのポイントです。
続いては、そば焼酎に製造過程で取り入れられる麹の種類を紹介しましょう。
そば麹
非常に扱いが難しいとはいえ、そば焼酎ならそば麹100%で飲みたいという人もあるでしょう。
そば麹を使うと、そば自体が持つ香りや甘みを存分に味わうことができるのは言うまでもありません。
また、そばの実特有の香ばしさも魅力的でしょう。
米麹
日本酒でおなじみの米麹を取り入れたそば焼酎もあります。
米麹を使ったそば焼酎は、日本酒が持つ清涼感のあるスマートな味わいが醍醐味です。
また、米が持つ甘みもほんのりと体感できて、そば麹を使った焼酎と比較すると、米麹の方が飲みやすいため香りが苦手という人にも推奨できます。
麦麹
麦麹は、米とは違い皮が固く水分を含みやすいことから、扱い方も特殊です。
そのため、麦麹を使ったそば焼酎を作るためには、麦麹に特化した醸造技術が必須となります。
味わいは、米麹同様に優しく香りも控えめなので、そば焼酎を初めて飲む人でも飲みやすいでしょう。
麦麹と米麹とうまくブレンドさせて、独自の味わいを出している蔵元が多くみられます。
そば焼酎のラベルには使われている麹が記載されているので、購入時にチェックすることがポイントです。
そば焼酎の選び方
そば焼酎は、麹の種類から選ぶのも一つの方法ですが、そのほかにもおすすめしたい選び方があります。
それが、蒸留方法と産地、そして銘柄です。
飲み方や好みによって、これらの選び方は多いに役立ちます。
蒸留方法と産地を重視した選び方について、それぞれのポイントを押さえていきましょう。
蒸留方法で選ぶ
アルコールには、発酵したものをそのまま飲む醸造酒と、発酵してから蒸留する蒸留酒などがあります。
焼酎は、蒸留酒の代表といっても過言ではありません。
そば焼酎の蒸留方法は2種類あり、それぞれに味わいが異なります。
一つ目が、常圧蒸留といい、昔から行われているシンプルな方法です。
蒸留器内の気圧を下げることなく蒸留するため、そば本来の味や香りが損なわれることなく、そばが持つ魅力を存分に楽しむことができます。
同時に、雑味成分も抽出されることから、クセが強くなるのが特徴です。
おすすめの飲み方はお湯割りやソーダ割りで、そば好きにとってはたまらない蒸留方法といえるでしょう。
飲みやすさを追求する人には、減圧蒸留によって製造されたそば焼酎がおすすめです。
常圧蒸留とは異なり、蒸留器内の圧力を減らしていくことで沸点を下げ、低い温度で蒸留します。
そのため、雑味成分が出にくく、すっきりクリアな味わいが特徴です。
クセが少ないので、ストレートやロックで飲んでも十分楽しめるそば焼酎といえます。
そば焼酎を初めて飲む人やクセの強いお酒が苦手な女性でも飲みやすい点も魅力です。
産地で選ぶ
そば焼酎を選ぶときには、産地をチェックすることも欠かせません。
産地によって蔵元の特徴や、素材に違いがあるため味にも個性が出てくるためです。
例えば、そば焼酎のふるさとである宮崎県五ヶ瀬では、現在でもそば焼酎が盛んに製造されています。
雄大な自然に恵まれた土地であり、九州とは思えないほど涼しい高冷地といった点も、そば焼酎を作る上で条件のいいエリアといえます。
まずは、そば焼酎の歴史に思いを馳せながら、オーソドックスな宮崎県産の商品を選ぶのもいいでしょう。
続いておすすめなのが、国内でも有数なそばの産地である長野県です。
そばの栽培には、長野県の土壌が持つ水はけの良さや昼夜の寒暖差が欠かせません。
特産の信州そばは、全国でも非常に名高い商品の一つでしょう。
宮崎県でそば焼酎が誕生してすぐに、長野県でも名産であるそばを活用したそば焼酎が登場しました。
長野県産のそばを食べながら、同エリアのそば焼酎を楽しむのもおすすめです。
銘柄で選ぶ
そば焼酎のパイオニアといえば、宮崎県にある雲海酒造でしょう。
減圧蒸留をメインとして導入しており、麦麹を使用したすっきりとした飲みやすさが特徴です。
雲海という銘柄は、神話の里としても有名な高千穂に沸き立つ雲海の壮大な眺めにちなんだもので、そば焼酎が持つ清らかな味わいからも美しい情景が浮かび上がります。
続いてご紹介するのが、そばだけを使ったまさしく100%のそば焼酎で有名な宝酒造です。
原材料はもちろん、麹にもそばを取り入れており、ストレートに感じるそばの存在感に根強いファンが多く見られます。
蒸留方法も常圧蒸留ということで、さらに原材料が持つ風味を引き立ててくれる点も魅力でしょう。
そば100%なので、そば湯で割って飲むのがおすすめです。
長野が誇るそば焼酎といえば、橘倉酒造は欠かせません。
信州そばの名店でも非常に人気があり、そば好きなら飲んでおきたい逸品です。
米麹を使っているものの、常圧蒸留によるそば本来の香りはしっかりと楽しめます。
その上で、米麹が持つ上品な後味も感じられるのもポイントです。
そば焼酎を飲むならそれぞれの個性を楽しもう
いかがでしたでしょうか。
この記事を読むことで、おすすめのそば焼酎や魅力がおわかりいただけたと思います。
そば焼酎にはそれぞれに個性があり、個々の味わいを楽しむのがポイントです。
初心者の方も、まずは飲みやすいそば焼酎から初めてみましょう。
酒のはしもとでは、目利きした焼酎や純米酒を多数販売しております。
詳しくはこちらをご覧ください。